団地のアルバムプロジェクト 小澤さんの話

「団地のアルバムプロジェクト」について

今年で築50年を迎える大型団地、北本団地。半世紀の歴史の中で、この場所に関わった色んな人達の思い出を集めて「団地のアルバム」を作ってみようというプロジェクトです。第四回は団地のママさん達を代表して小澤さんにお話を伺いました。今も団地に関わりフードパントリーなど様々な活動をしている小澤さんに団地の思い出や活動への思いなどをお伺いしました。

ーよろしくお願いします。小澤さんは何年生まれですか?

昭和45年生まれ、東京都の広尾病院で生まれました。東京で生まれたことがちょっと自慢です。笑

ーそのまま都内で生活していたのですか?

いや、生まれてからすぐ埼玉なんです。川越の方で生活していて、小学校6年生の時に北本の二ツ家に引っ越してきました。東小学校に転入して、それからずっと北本ですね。

ーなるほど、北本団地に引っ越してきたのはいつ頃でしょう?

結婚して、子どもが生まれて平成5年に北本団地に引っ越してきました。

当時の北本団地はなかなか抽選で当たらなくて、入る前に2回くらい落ちてるんですよ。3回目でやっと入居できました。

ーインタビューしていると皆さんおっしゃいますけど、団地ってやはり人気があったんですね。そうすると小澤さんは、かなり北本歴は長いんですね。

そうですね。団地の後も北本にいるので、北本歴は40年くらいになりますかねー。

だから子供達は栄小学校、西中学校卒です。

ー団地に住んでいた頃の思い出、どんなことが印象深いですか?

子どもが1才の頃、団地にいるママさんに「子育てサークルに入らない?」と言われたんです。そのサークルに入ったこともあって、団地に引っ越してきてすぐに友達ができたことが良い思い出ですね。

ーめちゃくちゃいい思い出ですね。今って子どもの数も少ないから、ママさんたちが出会う場所や、ふらっと行ける居場所ってないですもんね。

そうですね。当時は、同じくらいの子供を持つママさんたちと出会って子育てが楽しくできました。育児のことを相談できたり、一緒に遊びに行ったりとかもできました。
自分も子どもに戻ったような感じで遊べたし、友達が増えたからとっても楽しかった。

ー子どもに戻ったような感じって、いいですね。

そうなんです。当時、みんなで自転車に乗って、いろいろなところに出かけていたなあ。ママさんだけでカラオケにも行ったことも楽しかった思い出です。

ー親が楽しみながら子育てができるって、きっとママさんたちが理想とする姿でしょうね。逆に、団地に住んでいて嫌だったことなんか、ありますか?

団地に住んでいて嫌だったことはそんなにないんですけど、下のお宅から「いつも元気よねー」って言われる時に申し訳ない気持ちになりましたかね。結構、我が家は人を呼んで集まる家だったので。

ー集合住宅の難しさですね。お互い子供がいたりすると気が楽になったりしますけどね。話は変わりますが、小澤さんって地域のために色々な活動をされていますよね?

そうですね。知り合いからは「何屋さんなんだろう」ってよく言われます。笑

ーちょっと最近の活動を教えていただけますか?

最近は「栄っ子集まれ!」っていう企画で、ママさんにとっての井戸端会議をする場所や、子どもたちの居場所を作っています。あとは、コロナもあったのでフードパントリーの企画もしています。困っている親子世帯の方などに食糧を配布する活動です。1食でも配布した食糧を使ってお母さんがホッと出来て、子どももそんなお母さんを見てホッとできる・笑顔が生まれるようになったらいいなという願いを込めて活動しています。

ー地域に暮らす人のための活動、素晴らしいですね。小澤さんの動機や原点ってどんなところなんでしょう?

自分が引っ越してきて、不安だったり、いっぱいいっぱいだった時に「何かと一緒にやってくれる」「一緒に面白がってくれる」人が周りにいたんです。そのおかげで、余裕があったかどうかはわからないけど育児期間を楽しく送れた。だから居場所があるって本当に大切だなって思いがあるんです。

あとは、昔、市役所の子ども課で相談業務をしていたんですけど、子育て中ママの相談にのった数年後にその人と再会する機会があって「あの時、相談できる場所があってよかった」「話せてよかった」と言われたことがすごい嬉しかったんです。
そういう嬉しかった経験があるので、今も、自分でも何かしたいと思っています。

ー自分が嬉しかったことを次の世代に繋げているって素敵ですね。

私の場合はたまたま得意なことが、そういう話すとか相談するとかだったんですね。誰とでも自然と話をすることができたというか。それが自分に合っていると思えた瞬間があったんです。

ー自分の得意なことを地域で活かすって素晴らしいですね。今後、団地と関わっていく中で、もっとこんなことがやりたいなど、ありますか?

今やっている活動は今後も続けていきたいですね。ママさん向けと子ども向けの場作りをやっていきたいです。子ども食堂もそうだけど、ママさん達がホッとできる場所ができたらいいなとか、愚痴が言えるとか井戸端会議をするとか。子ども会みたいにクリスマス会をしたり、行事的なものもいいですね。

ー団地の商店街が今後どうなったら嬉しい、など希望があったら聞かせてください。

やっぱり商店街は賑やかになると嬉しいですよね。団地に引っ越してきた時はスーパーとか色々あったし、賑わいがあって、活気もあった。そういえば、たまにお豆腐屋さんや煎餅屋さんが来ていましたよね?子どもの初めてのおつかいがお豆腐屋さんだったな。写真があればよかったなー。笑 やっぱり賑やかになればいいなと思います。

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ー初めてのお使いがお豆腐屋さん。めちゃくちゃいいエピソードですね。写真はなくても賑やかで楽しそうな商店街のイメージが浮かびます。素敵なエピソードを色々お話いただき、ありがとうございました。

こちらこそ色々聞いてもらってありがとうございました。

吉川の感想

常に誰かのために行動している小澤さん。
現在は、フードパントリーなど、子どもやママさん向けの場づくりを実践しています。
活動の原点には「自分が嬉しかった経験」がありました。
当時、ママさんたちの場づくりに誘ってもらって楽しく子育てができたという自身の経験を、次の世代に繋いでいこうと活動しているのが、本当に素敵だと感じました。
貴重なお話しありがとうございました。そして、一緒に場づくりができることを楽しみにしています。

小澤さんプロフィール

昭和45年生まれ
平成5年に北本団地へ
平成17年 北本市役所子ども課で勤務
平成19年 北本市民生委員・主任児童委員
現在、公団地域で「栄っこ集まれ」や「フードパントリー」を企画